容器包装資材に関する用語集

容器包装資材 技術・規制

ISO14001

国際標準化機構 (ISO) が発行した環境マネジメントシステムに関する国際規格である。 プラスチック製品のメーカーにも環境対応が要請されており、当該規格を取得しているプラスチックメーカーもある。

ISO9001

国際標準化機構 (ISO) が発行した品質マネジメントシステムに関する国際規格である。 プラスチック製品のメーカーにも厳しい品質管理が要請されており、当該規格を取得しているプラスチックメーカーは多い。

アウトサート成形

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、板金など金属部品の一部にプラスチックを組み込み、一体化させる成形方法である。

アニーリング

プラスチック製品の形状を安定させるために、熱や機械的な応力でできた内部歪みを除去する熱処理方法である。

アンダーカット

プラスチック製品の成形時に、通常の前後または左右の金型開閉では取り出せない凸凹形状のことである。

インサート成形

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、金型に金属部品を組み込み、プラスチック成形時に一体化させる成形方法である。

インジェクションブロー成形

プラスチック製品の成形方法のひとつ。射出成形により原型となるパリソンをつくり、その中に空気を吹き込んで容器を作る成形方法。ダイレクトブロー成形と比較して口元の精度が高い。パリソン製造と容器製造を一貫して行うホットパリソン方式と、インジェクションで製造したパリソンをセットして容器製造を行うコールドパリソン方式がある。ロット10万を超えるような大量生産向きなのはコールドパリソン方式(飲料水ペットボトルなど)。

ウェルドライン

射出成形品に発生する線状のむらのことである。成形時に金型内で溶けたプラスチック原料がぶつかってできる。ウエルドラインが発生しない金型構造が求められる。

AQL(Acceptable Quality Limit)

抜取検査で合格にしてよい不良率又は100単位当たりの欠点数の上限値のことである。

エジェクター

プラスチック製品の射出成形において、成形品を金型から取り出すために突き出す装置のこと。製品の裏側をピンで押して金型から取り出す。

押出成形

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、プラスチック原料を加熱シリンダー内で軟化溶融させ、スクリューで押出して断面の形状が一定の製品を連続的に成形する方法である。例)樹脂パイプやモールなど。

ガイドピン

プラスチック成形金型の可動側型板と固定側型板を位置決めするためのピンのこと。

ガス抜き

金型内で発生したガスを排出するための数μm程度の溝状の機構のこと。ガスの発生源は溶けた樹脂。

型締め力

プラスチック製品の射出成形において、金型内に充填されるプラスチック原料の圧力に対抗して、金型を閉じておくための保持力のこと。

金型

金属製やプラスチック製の製品を製造するための型のことである。例えばプラスチック製品においては、金型内に成形機からプラスチック原料を流し込み、固化するまで金型で締め付けることで製造する。

金型温度

金型の設定温度、もしくは実測温度である。プラスチック製品の成形品質やスピードに大きく影響する。

金型冷却機(チラー)

冷凍装置を備え、冷却水の温度を低くして循環させることが出来る装置のことである。冷却時間を短くすることはプラスチック製品の成形スピードに大きく影響する。

官能検査

官能検査は人の感覚(味覚・聴覚・視覚・嗅覚・触覚等)を用いて評価・判定する方法である。製品の品質を判定する検査であり、食品・香料・工業製品等について用いられる。

気泡

製品の内部に発生する空気・ガス等のことである。プラスチック製品の冷却過程で収縮により内部気泡ができることがある。

キャビティ

プラスチック製品の射出成形の金型で、成形品が成形される隙間のことをいう。また、金型自体の凹部のことをいう場合もあり、逆に凸部をコアという。

QC(Quality Control)

「Quality Control」=品質管理のこと。

クラック

内部の応力、または外部の衝撃等により、プラスチック製品に生じた欠け・割れ目不良のこと。

グリーン調達

使用する部品や資材を選定・調達する際に、品質や価格、納期に加えて、環境負荷の小さいものを選択基準のひとつとすることである。プラスチック原料としても、さとうきびからなるバイオマス原料等が注目されている。

クリーンルーム

陽圧管理で空気清浄度が確保された部屋のことである。例えばクラス100,000とは、1立方フィート中に含まれる0.5μm以上の微粒子数が100,000個以下のことである。プラスチック製品では医薬品・化粧品容器の成形工場に多い。

経済ロット

経済ロットとは、発注費用と在庫維持費用との合計費用が最小となる数量のことである。単に採算ベースに乗る発注量を指す場合もある。

ゲート

プラスチック製品の射出成形で、金型にプラスチック原料が流れこむ入り口のことである。プラスチック原料の逆流防止・圧力調整・プラスチック原料温度のコントロール等の機能も付与されている。

コア

プラスチック製品の射出成形等の金型で凸部(可動側)のこと。反対側(固定側)の凹部をキャビティという。

公差

プラスチック製品の基準値と寸法測定値で許容される誤差のこと。

剛性

物体の曲げ・ねじり等の力に対して歪まない性質のこと。プラスチック部品は高い剛性を有している。

工程管理

顧客からのQCD(Quolity,Cost,Delivery)要望に応えるために、工場内で、製造設備・労働力・資材等を効率的に活用する管理活動のこと。

コールドパリソン法

プラスチック製品の延伸ブロー成形(ストレッチブロー成形)において、パリソンを作る工程とブローする工程とを分けて成形する方法である。ホットパリソン法に比べ、少品種大ロット向きの製造方法。

作業標準

製品のQCD(Quolity,Cost,Delivery)を確保するために、各作業のやり方や条件について標準化したものである。一般的には作業標準書として整理される。

さめ肌

プラスチック製品のブロー成形における表面不良で、さめの肌のようにざらざらする状態である。

サンドブラスト

粉末状の研磨剤を圧縮空気とともに吹き付ける表面処理法であり、樹脂に使われる場合、アクリルの艶消し加工などに行われる。

試作

プラスチック製品等の量産前に、寸法・重量や他の部品との嵌合性等検証のために作ること。通常、試作費用がかかる。  

JIS

日本工業規格のことであり、Japanese Industrial Standardsの略。

射出圧力

プラスチック製品の射出成形において、溶融プラスチック原料をスクリューによりノズルから金型へ射出する際の圧力である。

射出成形(インジェクション成形)

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、加熱して軟化したプラスチック原料を、射出圧を加えて金型に充填するプラスチック製品の成形方法である。同じ製品を大量に製造する事ができる。

射出速度

プラスチック製品の射出成形において、溶融プラスチック原料をスクリューによりノズルから金型へ射出する際の速度である。

充填(射出成形)

金型キャビティに溶融プラスチック原料を注入すること。

ショートショット

プラスチック製品の射出成形において、射出原料不足・射出圧力不足等により、溶融原料が製品の末端まで行き渡らない成形不良状態のこと。

真空成形

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、加熱・軟化させたプラスチックのシートを型に合わせて真空吸引する成形方法である。卵のケースや、コンビニ弁当のプレート等によく用いられる。

成形サイクル

プラスチック製品の成形において、1回の成形を始めてから完了するまでの時間のこと。製造個数とコストに大きく影響する。サイクルタイムとも呼ばれる。

成形収縮

プラスチック製品を金型から取出したあとに、時間が経って体積が縮むこと。縮む比率(収縮率)を計算して製品の寸法設計を行う必要がある。

成形性

プラスチック製品の成形において、バリやショートショット等の不良品が生じにくい、製品冷却時間が短い等、いわゆる成形材料の成形のしやすさのことである。

製造物責任法(PL法)

製造物の欠陥により、人の生命、身体または 財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定める法律。

製品規格

製品に関する材料・寸法・機能・検査・梱包等の取り決めのこと。

そり

プラスチック製品が成形後に辺に対して平行線方向に変形すること。

ダイオキシン類

250~400℃の比較的低温で、有機塩素を含むプラスチックを不完全燃焼すると発生しやすい物質。

多層ブロー成形

プラスチック容器のブロー成形において、2種類以上の特性の違うプラスチック原料を2層以上(多層)に重ねて成形する方法である。

縦型射出成形機

プラスチック製品の射出成形において、金型を縦方向に開閉する射出成形機である。横型射出成形機と比較して、インサートの保持が容易で幅を取らないが、天井の高い場所でしか設置できない。

テーパー

プラスチック製品の射出成形においては、成形品の取出しを容易にするために金型に付ける抜き勾配のことである。

デラミネーション

ラミネート品(パウチ・フィルム・ラミネートチューブ等)の層間が剥離する現象である。一例ではリモネンという柑橘類に含まれる成分がアルミ層に触れるとデラミネーションを起こすことがある。

ドローダウン

ブロー成形において、パリソンが自重によりたれさがることであり、プラスチック容器上下の肉厚に違いが出る原因となる。

ナチュラル色

プラスチック原料そのままの色(原色とも呼ばれる)のことである。ポリエチレン(PE)容器・ポリプロピレン(PE)容器では半透明、PET容器では透明になる。

難燃性

プラスチック製品等の工業製品が、燃焼に対して抵抗する燃えにくい性質のことである。多くのプラスチック製品は燃えやすいため、難燃性を高めるために難燃剤を添加することがある。

二軸延伸ブロー成形

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、あらかじめ射出成形でつくったプリフォームを縦・横2方向に高倍率で延伸してボトル強度を向上させ、高圧空気を吹き込んでプラスチック容器を成形する方法である。飲料用ペットボトルはこの方法で作られる。

二色成形

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、二つの金型を使って二色のプラスチックや硬さの違うプラスチックから構成される製品を一体成形することである。

抜型

化粧箱等を作るに際して、ベニヤ板に製品の展開図どおりに刃をつけたもの。オーダー品は最初に抜型作成費用がかかる。メーカーによって落版となる条件が変わるので最初に確認しておくことが望ましい。

ねじれ

プラスチック製品が成形後に対角線方向に変形する成形不良。

熱成形

プラスチック製品の成形方法のひとつであり、熱可塑性プラスチック原料のシートを加熱軟化させて形をととのえ、冷却して成形品を作る成形方法である。真空成形や圧空成形が該当する。

熱伝導率

温度差により生じる伝熱において、その速さを規定する物理量である。プラスチックの熱伝導率は、他の工業材料と比べてかなり低い。

練りこみ

成形品にプラスチック原料以外の異物が入ることである。ゴミが混入してプラスチック製品に練りこまれるコンタミと、プラスチック原料が炭化した焼き付きが蓄積し、剥がれ落ちてプラスチック製品に練りこまれる黒点がある。

パージ

プラスチック成形機の残留原料や運転中に出る内部ゴミを洗浄することである。

パーティングライン

ブロー成形で作られたプラスチック製品の金型分割面によって出る線のこと。

バキューム

液体の入ったプラスチック容器において、容器の側面が膨らんだりへこんだりすることである。丸型容器よりも角型容器の方が目立ちやすい。

はく離(剥離)

異種材料の混入等により、成形したプラスチック製品の表面が薄い層状になり剥がれやすくなることである。

白化

プラスチック製品の表面に小さな白色の傷のような模様が出ることである。射出圧力の掛け過ぎが原因であることが多い。

バリ

プラスチック原料が金型のすきまに流れて固化し、プラスチック製品から突出した部分のこと。外観不良の原因となる。

パリソン

ブロー成形において、空気を吹き込む前段階の筒状になったプラスチック原料のこと。  

パリソンカール

プラスチック製品のブロー成形において、パリソンが肉厚や温度の不均一によって湾曲すること。

パレット

物流に用いる、荷物を載せるための荷役台のことである。樹脂製と木製がある。大きさも何種類もある。

ひけ

プラスチック製品の成形原料が冷却固化する際に、成形品の厚い部分が他の部分より大きく収縮することにより、表面にできる凹みのことである。

比重

固体及び液体の場合は4℃の水と当該物質の質量比、気体の場合は0℃1気圧の空気と当該物質の質量比のことである。

プレス加工

金属缶などを作る際に、金型に素材をはさみ、プレス機によって加圧することで、素材を金型の形に成形する加工方法である。飴缶等の浅い缶は2パーツ、丸缶・角缶・山高缶(トックリ缶)等の深い缶は3パーツの場合が多い。

フロスト加工(ガラス)

ガラス瓶の表面をフッ酸処理により、高級感のあるきめ細かい乳白色のガラス瓶に仕上げる加工方法である。

ブロッキング

印刷されたプラスチック容器等どうしがインキの粘着性によりくっついてしまう不良のこと。乾燥工程時間が短いと起こる不良。速乾性の高いUV印刷では起こりにくい。

フローマーク

プラスチック製品の射出成形において、金型キャビティ内の成形材料の流れの跡が成形品に現れることである。

変形

プラスチック製品のそりとねじれのことである。

ベント

プラスチック製品の成形時に、空気やガスをキャビティから放出するための溝や穴のことである。

保圧時間

プラスチック製品の射出成形において、保圧している時間のことで成形品の収縮率等に大きな影響がある。

ボイド

プラスチック製品の射出成形において、製品内部に発生する泡のことである。射出された材料内に空気が既に入っている場合と内部応力が減圧になり出来る場合がある。

モールドベース

射出成形用金型を構成するのに必要な外周部分の部品を集めて規格化したものである。モールドベースを使用することで、金型作製の短納期化や低コスト化が図れる。

焼け

プラスチック製品の表面に発生する黒い燃焼物である。熱分解された樹脂原料又は残留空気による燃焼が原因である。

横型射出成形機

プラスチック製品の射出成形において、金型を横方向に開閉する射出成形機。縦型はまれである。

ラボエラー

分析業務における人為的ミスである。例えば、サンプルカップ・スピッツ・スポイト等の臨床検査器材をディスポーザブルにする理由は、ガラス器具の洗浄漏れ等のラボエラー防止のため。

ラミネート

複数の材料を貼り合わせて積層させる加工方法である。製品例としては、パウチやお菓子袋などのフィルムやラミネートチューブがある。

リブ

プラスチック製品の剛性や強度を向上させるため用いる補強部分である。

劣化

プラスチック製品においては、紫外線によって変色したり、脆くなったりすることである。

ロック付きキャップ(封印付きキャップ)

開けた時にキャップの一部が容器に残り、開けたことがわかるようになっているキャップの事。ピルファーキャップ、封印付きキャップとも言われる。改ざん防止が目的である。

ロット

同じ条件のもとに製造する例えばプラスチック製品の、生産・出荷の単位である。生産時の生産ロット、検査の対象となる検査ロット、発注時の発注ロット等、様々な状況で用いられる。

割型

プラスチック製品の射出成形において、成形品にアンダーカットがあるために、二分割以上となる金型である。